■工作室(製作6)■  (1)主翼の組立・胴体の補強

ニッポン号
1/72 アリイ


 
■パーツ
部品点数の少ないシンプルなキットです。エンジン部やコクピット内など、完成したらほとんど見えなくなる部分は、かなりデフォルメされています。とくにパイロット人形は土偶のようですが、無人機よりははるかにましで、塗装して風防で覆えば十分な存在感があります。
それらしくあるというようなデフォルメは、メーカーのキット作製上のテクニックであると思いますが、パイロット人形に関しては、旧LSのキットは(手持ちのものに関してですが)全てこの土偶形で、もう少しなんとかと惜しまれます。

●主翼の工作●
 
■主脚カバーの取付け
エンジンナセル下面の主脚カバー取付け部は、カバーを「閉」位置にする場合、部分切り取りなど若干の加工が必要です。工作が雑なせいもあり、カバーと取付け部にだいぶ隙間ができてしまったので、外側からテープで主脚カバーの仮止めをし、エポキシ接着剤を隙間に流し込み、固定とともに隙間の充填処理を行いました。

■主脚の工作
キットは、主脚柱と車輪とを組み立てた状態で「主脚出し」と「引っ込み」を選ぶことがでます。主脚収納部の内側を機体内部色で塗装して、主脚を塗装し組み込みます。(引っ込み状態にした場合、内部はほとんど見えなかったので、この脚室内部の塗装は必要ないような気もします。)
主脚をマスキング(写真では、台所用の透明ラップで覆っています)して、所定の位置に接着し、主翼上・下を接着します。ラップ材は、塗装後引き抜きやすいように、ぎりぎりのところでカットしておいたほうがよいでしょう。

補助翼(エルロン)の取付け
フラッパロンと見紛うような長大な補助翼です。薄く長いため、若干ゆがみが出ていたので、テープで押しつけるように補正して接着しました。ここでは、主翼上・下の接着後に取り付けましたが、後の工作のしやすさを考えると、主翼を胴体に取り付け、左右胴体を接合した後のほうが良さそうです。

●胴体スタンドアーム取付け部の補強●
 

「フライト・ポジション」モデルにする場合、スタンドアーム取付け部の補強が必要です。低翼機の場合は、主翼下側部品の中央部を平面的に補強すればよく、工作は楽ですが、本機のような中翼機など、スタンドアームを円筒形の胴体下面に直接取り付けなければならない場合は、補強の工作がかなり面倒になります。いままでは複数枚のストリップ状(長方形の板状)のプラ板を、胴体下側の横断面の幅に合わせて積層し、まず胴長片方に固定してから左右を接合しておりました。しかしこの方法は、胴体のカーブに合わせてプラ板を切り出す作業が、手間がかかるわりに正確にできず、技法として納得できずにおりました。
内部を粘土で型取りし、レジンで複製すれば、胴体形状にぴったりの補強パーツが得られますが、一機だけの製作では、もっと手間がかかることになります。いろいろ考えた結果、型取り法を応用した補強方法を試してみました。胴体左右パーツ接合面の下側に、縦通材のような形でプラ板(ここでは1.5ミリ厚を使用)を貼って「補強材兼型枠」とし、その胴体側内面との空間にエポキシ接着剤などを充填するというものです。この方法の採用により、荷重がかかる部分にだけ充填を多くできるなど調節が可能で、かつ左右接合時 にこのプラ板どうしも接着するため、十分な強度を確保できるとともに、工作も極めて簡単になりました。

【付記】「製作15(三菱九六艦戦)」から、このスタンドアーム取付部をもっと合理的にした構造をとっていますので、お知りになりたい方は「製作15」以降をご覧ください。

■スタンドアーム取付け穴の穿孔
モーターへの配線の関係で、左右胴体を接着する前にスタンドアーム取付け用の穴をあける必要があります。まず輪ゴムやテープなどを使って胴体を仮組の状態にしておきます。
   
最初は1.5ミリφ程度から始めて数段階で所定の3ミリφまで広げるようにすると正確にあけることができるでしょう。最初は垂直にあて、先端がすこし食い込んだ時点で所定の角度まで回転させながら倒していきます。
本機では1/72とはいえ、単発戦闘機とは異なり、かなりの大きさになりますから、スタンド・ベースも大きなものとし、スタンド・アームは前回の1/36のパイバーチェロキー140と同様に、3ミリの角パイプを使用することにしました。