■工作室(製作22)■

P-47D
サンダーボルト

ハセガワ 1/72


このP-47は「モデル界」では比較的メジャーなものなのに、なぜか一度も作ったことがありませんでした。多分、大味でのっぺりしたところにひっかかったのではないかと思われます。次は何にしようかと思案、とりあえずストックのなかからと物色中に目にと待ったのが本機です。プロペラが廻っているところの下方からのビューならすこしいけるのではないかとふと感じて、初めてのP-47の製作となりました。
キットはハセガワの古いもののリバイバル版(キャノピーだけは薄く透明度の高い、新型のものでした)。衒(てら)いのない素直なまとめで、部品点数が少なく、とても作りやすそうです。プロペラのピッチの付け具合などからも、ほんとうに飛行機好きなひとがキットづくりをしたことが窺えます。うれしいことに、主脚と尾輪のカバーは飛行姿勢とのコンパチ、しかもパイロット人形も付いていて、「フライト・ポジション」モデル用としてはベストといえるキットでした。

●エンジン部の工作●
スペースたっぷりなので、6ミリΦのモーターを使用し、プロペラ軸は1ミリΦを使いました。
キットのプロペラ軸は防火壁の裏面から挿入する構造のため、これをモーター取付用のリード穴とすることができ、正確な開孔ができます。2ミリΦから1ミリステップで、モーターの径の6ミリΦまで拡大しました。最初の2ミリ、3ミリΦのドリルの段階では、エンジンを貫通させプロペラ・ジョイントの出る穴を確保します。
■モーターの固定
プロペラ・ジョイントのプロペラ側を約2.5ミリに調節して、防火壁裏面から挿入し、エンジン先端の開口部とプロペラ・ジョイントの具合を確認して、OKなら接着固定します。エポキシパテを盛って固定しましたが、瞬間接着剤だけでも大丈夫そうです。プロペラ・ジョイントはエンジン先端から1ミリ弱突出させ、ジョイントの出る穴は3.2ミリに拡大しています。

■機銃とピトー管
ピトー管の金属への交換はやむを得ないとしても、機銃はキットのままでいこうと思ったのですが、心配性がたたり、突出の大きい3本を金属に交換してしまいました。いずれも0.8ミリΦの黄銅線で(ピトー管は先端を細くけずりました)、エポキシパテで固定しています。機銃、ピトー管とも主翼上面部品に付いているので、それを参考に下面部品の方に取り付け、後に上面部品の当該部分を切除しました。
大戦中の米軍機に使われていた機銃は、このP-47と同じ、ブロウニングのキャリバー50と呼ばれるものです。キャリバーとは口径のことで、50口径は0.5インチ(約12.7mm)です。零戦の20ミリ機関砲に比べると非力な感じがしますが、多数の連装で発射する弾丸の数を増やして威力を高める、今日のバルカン砲的な効果を求めたものと思います。弾丸が銃口を飛び出すときの衝撃で、薬室のロック解除〜遊底の後退、などの一連の動作を行う、いわゆる反動式の機関銃で、故障が少なく、自衛隊でも対空や車載機関銃として広く使われていました。

■スタンドアーム受金具の取付け
スタンドアーム受金具は、0.2ミリ銅板に4ミリΦ(内径3ミリ)のパイプをハンダ付けしたものです。胴体片側にゼリー状の瞬間接着剤で固定し、ランナーをニッパーで切ったもの張付けて取付の補強としました。
コクピット後部のアンテナは0.4ミリ黄銅線を曲げてハンダで整形し、ランナーを使って補強して取り付けています。

■モーターへの配線
カウリングと胴体の合わせ具合がピッタリだったので、カウリングは微量の接着剤で仮止めして、モーターへの配線は塗装後に行いました。
モーターに付いているリード線は取り去り、スタンドベースへのコードを直にハンダ付けしています。

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完成したP-47D
機首の赤塗装は、指定の塗装指定部分とデカールの色合いが違うので、全体を塗装としました。