■工作室(製作23)■ 

一式戦闘機 隼
アリイ 1/72

旧エルエスの1960年代のもののリバイバル版で、エルロン、キャノピーが可動(もとは主脚も引込む構造だったようですが、購入したキットでは固定式に変更されていました。また同じ頃に発売された零戦21型は翼端が折り畳み式だった記憶があります。)で、当時は可動部分の多さに感動したものです。しかし、いまとなってみると(もちろん好みの問題ですが)、目に余るものを感じて、作るのを止めようかとも思ったのですが、なつかしくもあるし、諸兄のキット購入の際の参考にでもなればと続行することにし、気分転換に急遽ハセガワのものも平行して作ってみました。

1963の刻印のある主翼下面部品。 日の丸を貼る位置を示す筋彫りがあるなど、プラスチックモデルの黎明期のキット製造の試行錯誤のあとが窺えます。
エルロンを可動式にしたため、両端のヒンジ部が上下面ともぽっこりと膨らんでおり、また引っ込み脚を固定式にしたため、脚を差し込む穴の補強のためにか、同部分の翼外面にもドーム状の膨らみがあります。可動部分はなるべくなくす方針なので、エルロンは固定して、不要なふくらみは切除することにしました。

ハセガワの1/72キット
パイロット人形が付いていないことなどから、ハセガワの新世代の「地上姿勢しか許さん」タイプのものですが、比較的古いキットのようです。しかし、アリイ製に比べてとても作りやすく感じました。
  

●エンジン部の工作●
【アリイ製】 エンジン部は、エンジンのモールドもされていないカップ型のカウリングがあるだけで、すこぶるシンプルです。内部の広さに対応するため、6ミリΦモーターを使うことにして、ストローのモーターマウントをエポキシパテで固定しました。プロペラ軸は、1ミリΦのアルミパイプを使い、エポキシパテで固定しています。

【ハセガワ製】 ダミーエンジンが付いているので、こちらは4ミリモーターを使い、ストローのモーターマウントをダミーエンジンの裏側にエポキシパテで固定しています。プロペラジョイントの通過穴は、ダミーエンジンのギアポックス部先端の直径ぎりぎりまで拡大しなければなりませんでした。プロペラ軸は、プロペラとスピナーが分かれているタイプで、しかも元の軸穴が貫通しているので、エポキシパテを先端側にも盛って深く取り付けています。

■スタンドアーム取付金具の固定
機体とスタンドの接合点なので、合成ゴム系接着剤でがっちりと固定し、ランナーなどの切れ端で補強しています。(左:アリイ、右:ハセガワ)(アリイの主脚収納部が素通しになっている点にご注意)

■主輪収納部の工作
アリイのものはがらんどうなので、0.2ミリ厚のプラバンで内張加工して、タイヤはエポキシバテで高さを調節して固定しました。ハセガワのものは、内部が浅いのでタイヤの厚さを削って(半分ぐらいまで)調節しています。

完成したベースに、グンゼの缶スプレーのホワイトベースを塗って下地処理としました。

完成した「隼」(左がアリイ、右がハセガワ)