■工作室(製作47)■   アクシデント(2)開腹修理

導通試験でテスターの針の振れが全くないということは、コードが断線しているか、モーターに正常に接続されていないことになります。このままではなすすべがないので、開腹して調べてからの対応となります。
■開腹作業
開腹部分は最小限に留めたいため、コネクターの寸法や作業のことを考慮して8ミリ角の穴を開けることにしました。平面に対しての切り抜きとなり、また、「アクシデント(1)」での修復で、光重合レジンを使った硬い箇所なので、エッチングソーではなく、ルーターに丸ノコ刃を付けてやってみました。この丸ノコ刃の厚さは0.1ミリ(エッチングソーは0.2ミリ)で、ノコのロスが少なくてすみます。
  
周囲をテープで養生し、切開箇所に印を付けておき、厚紙を両面テープで貼って、ノコ刃のガイドとしました。丸ノコなので、これだけを使って切り抜くためには、「井の字形」に切開箇所より大きくノコ刃を入れる必要があります。

■原因探し
開腹して、コネクター部分を引き出してみると、単にコネクターの接続を間違っていた、というみじめなものでした。多分「アクシデント(1)」で動転してしまって、接続後のチェックを怠ったことによるものでしょう。 (コネクター部分を引き出そうとしたところ、右翼側が「アクシデント(1)」の影響で癒着しているようで出てきません。仕方がないのでラジオペンチで力まかせに引っ張ったところ、コードがちぎれてしまい、右翼側は、モーター部分から配線のやりなおしとなってしまいました。)
右翼側モーターからのコードを再度通すため、翼と胴体の貫通状態の探りを入れてみると、やはり癒着のためか不通となっており、仕方がないので、翼の付け根に穴を開けて通すことにしました。結局3箇所に穴を開ける羽目になりました。
A: 最初に開けた穴
B: モーターからのリード線を胴体に導く穴(カッターを使ってのスリットとしました。カッターの厚さは0.5ミリ)
C: リード線とモーターを結線する穴。
主翼に開けたスリットの穴からモーター側と胴体内へコードを通してモーターと結線し、胴体側に前と同じようにコネクターのオスを取り付けます。再度スタンド・アーム取付け穴から電源へのコードを通してコネクターのメスを取り付け、接続しました。今度はきちんと回転をテストしました。

■埋め戻し作業
切り取った部分を所定の位置に戻して、しっかりと接着です。ノコ刃のロスが0.1ミリ幅なので、丁寧に切り取っていれば、これだけで埋め戻し作業はほぼ完了ですが、刃が滑ったり、かなり乱暴な作業だったので、後始末が大変そうです。
  
スリットの部分は薄いプラ板を埋めました。埋め戻した部分の周囲にアルテコを盛って、カッターで整形し、水ペーパーでほぼ同一面にします。
溶きパテを整形面に塗布し、水ペーパーで他の面となじませます。何度か「溶きパテ+水ペーパー」による作業を繰り返し、OKとなったら、再度塗装をして完了です。

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