■工作 at random■ −5 | |||||||
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■着陸灯の工作 | |||||||
1/72のモデルの着陸灯は省略されていることが多いので、これまで(多分これからも)銀色の塗装などで済ましてきましたが、Ju87スツーカの製作で、箱絵の着陸灯が妙に気になったのと、キットがシンプルで余りにもあっけなく出来上がりそうだったので、ちょっと手を入れて、ガラス風に透明にしてみました。良く知られたテクニックですが参考まで……。 | |||||||
着陸灯の翼弦方向の筋彫りに沿ってエッチングソーを入れ、切り出し状の先の細いナイフで少しずつ切り取っていき、大体のところで細い棒ヤスリをかけて奥を平面状にします。このとき、どちら側かを、右図の赤い点線のように、こころもち前縁側が狭くなるようにしておくと、嵌め込んだクリア部が整形時に外れにくくなります。(図中の「FWD」は、図面などでよく矢印と対で使われる、「前方とか進行方向(forwardの略)」を示す略号です。) | |||||||
クリア部品のランナーを半円柱状に削って所定の長さに切断し、着陸灯の位置に嵌め込み接着します。ライトの位置には平面のままかドリルで凹ませて銀塗装しておけば十分ですが、ここでは穴を開けて、爪楊枝の頭の球状部分を押しつけて整形したアルミフォイルを貼ってみました。 | |||||||
接着剤が十分に乾いてから、翼側をマスキングテープで保護して、整形作業に入ります。最初は平ヤスリでガリガリと削って、おおよそ翼形に合わせてから、耐水ペーパーで水を付けながら#800くらいから#1500までを使い、翼の形に合わせていきます。最後にコンパウンドで磨けば完璧ですが、少しへたった#1500ならそのままでも十分な感じでした。 | |||||||
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■パイロット人形の複製 | |||||||
「フライト・ポジション」モデルでは、パイロットの搭乗は必須です。最近のキットではついていないものが多ため、キット付属の人形をレジンで複製したものを使っていますが、とうとう1/72用のストックがなくなりました。再生産をと、むかし作った「型」を探しましたが、どこに行ったのやら、仕方がないので、もう一度「型」から作りました。参考までに製作のおおよそを紹介します。【レジンによる型取りについては、『LoneStar/ローンスター』の「プラキャスティング テクニクス」コーナーが詳しいので、ご覧になることをお勧めします。】 | |||||||
以前のものは、一つの長方形の型に、日本風・アメリカ風・現代風などの人形を7体ほどを並列に配置し、それぞれに注入口を設けたものでした。これだと、一つの型の内部で各々の型が独立しているため、レジンの流れが確実で、日本風だけを選んで、など、それはそれで使えたのですが、小さい注入口一個一個へのレジンの注入で、うまく流せなかったりして、材料の無駄が多く、また、一度に出来る数も少なく、能率の悪いものでした。 | |||||||
丸い型枠の中に粘土を敷きつめ、そこに複製する人形を配置し、シリコンを流して、下の型にします。次に、粘土を取り除き、注入口を設けて、シリコン同士がくっつかないようにバリヤーのシリコン液などを塗ってから、上の型になるシリコンを流し込みます。 | |||||||
今回の目標は、1回のレジンの注入で、出来るだけ沢山作る、ということです。直感的に放射状に配置することは思いついたものの、どこから注入するかが問題でした。ふと、キットによってコクピットの形状や内積は様々で、他機用に作られたパイロット人形がすんなり納まることはなく、これまで、尻の下を削って座高を低くしたり、足を部分的に切り取ってやっと、というのがほとんどで、特に足の切断は毎度のことだったことを思い出しました。このことから、足先はまず不要と考え、足裏を各人形への注入口にすることにし、型の大きさや、レジンの無駄なども考慮し、落ち着いたところが上記の型で一度に11体作ることが出来ます。(とくに1/72では、機体に載せれば足先は全く見えなくなります。) | |||||||
最初のレジンの流し込みテストで、やはり空気の溜まりができたので、各々に空気抜きを設けたところ、なんとかきちんと流れてくれました。上写真は、型上側の自重だけでやったもので、一面に薄いバリが出てしまいましたが、正確性を求めるものでもないし、バリを削ると、ほぼ初期の目的を達したものが得られました。後に、重しを載せてやったところバリは減少しました。 | |||||||
●使った材料 型=(株)ヨシムラの「エラストジル SLJ3266」という型取りのセットで、旭化成ワッカーシリコーン(株)の「RTV-2」というシリコンゴムと、硬化材として「キャタリスト T-40」が入っていました。 レジン=日新レジン(株)の超低粘度、注型用ウレタン樹脂「ホビーキャスト NX」という、2液同量混合で、作業時間が長い(120秒)使いやすいもの。 |
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上下型のシリコンの流し込み時の「くっつき」を防ぐ材料は、離型材として販売されているもの以外にいろいろなものが応用できるようですが、以前の残りのものがあったのでこれを使用しました。(「バリヤーコート No.6」(シリコン溶液)信越化学工業(株)の25g入り。下写真) 材料はいずれも「東急ハンズ」で購入 | |||||||
前に使ったシリコンとレジンが少しずつ残っていましたが、とうに使用期限は過ぎていたため、新たに購入して、古いものは処分しなければと、一応、その残りを確認したところ、レジンの方はまったく駄目でしたが、シリコンはなんでもなさそうです。ものは試しと使ってみると、冬は極寒、夏は灼熱地獄という逆境にもめげず、ちゃんと使うことが出来ました。で、今回購入のシリコンは、手付かずのまま、きびしい環境に保管されることになって、「なんか無駄が多いなぁ」というところです。 | |||||||
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