■工作室(基本工作)■  (3)エアブラシの使用−1

■塗装の準備と後始末■

●塗 装 の 準 備●
    ■塗料の攪拌
塗料使う前には必ず攪拌します。
特に混色の塗料は、色によって塗料の比重が異なるため、瓶の中で層をなして沈殿していますから、正しい色を出すためには、底からまんべんなく攪拌する必要があります。
上左写真は、塗料をエアブラシのカップに移すときの自作のスプーンですが、これで攪拌して、カップに移しています。軸とすくう部分の角度が大きいため、攪拌するときの効率がよく、すくうのが楽です。また、アルミ製で軽量なので、瓶にいれたままでも、瓶ごと倒れることがありません。



■塗料の装填
●下準備:前回使用後の手入れが完全でなく、更に時間が経っている場合など、出にくいことがあるので、確認のため、少量のシンナーをカップに入れて、空吹きします。
●使おうとする塗料の量に対応するシンナーをスポイトなどでカップに入れます。あとで足せるので、少なめが良いでしょう。(左)
●必要量の塗料をカップに入れます。(右)
●スプーンでシンナーと塗料をざっと攪拌します。この時、シンナーの量が多いようであれば、「薄まった塗料を適量瓶に戻し、再度瓶の塗料をカップに入れる」を繰り返し、濃度を調節します。(右下)


ノズルの口を塞ぎ、徐々にエアーを送って、ガボガボさせます。よく塗料とシンナーが混ざったら、塗料の準備完了です。

●ここで使用したスポイトは、東急ハンズで購入しました。
構造上の欠陥のようで、蛇腹の先端の指で押す部分が、何度か使っているうちに裂けてしまうため、あらかじめ、靴底補修用のゴムを塗って補強してから使っています。



●塗装後の清掃●
上の作業は、カップ内に残った塗料をできるかぎり回収するためのものです。
カップ内の余った塗料を瓶に戻します。(左)
シンナーを少し多めにカップに注ぎ(右)、ノズルの口を塞ぎガボガボさせます。(左)
残りの塗料がシンナーと混ざったら、瓶に戻します。(右

前記作業の後、カップ内の見える範囲の塗料を、ティッシュペーパーで拭き取り、清掃の下準備は完了です。

■カップの洗浄
(1) 1の瓶から少量のシンナーをカップに入れて、しばらくガボガボさせ、「クリーナーボトル(GSIクレオス製)」へ汚れたシンナーをノズルから吹き出します。これを数回繰り返し、ガボガボのときシンナーが汚れるのが少なくなったら(2)に移ります。
(2) また1の瓶から適量のシンナーをカップに入れ、ガボガボさせ、汚れたシンナーは1の瓶に戻し、ノズル内の残りのシンナーは、「クリーナーボトル」に吹き出します。これを数回繰り返します。
(3) 2の瓶から適量のシンナーをカップに入れ、ガボガボさせて、汚れたシンナーを1の瓶に入れ、(2)同様に、ノズル内の残りのシンナーは、「クリーナーボトル」に吹き出します。これを繰り返してカップのシンナーの汚れがなくなったら(4)に移ります。
(4) 仕上げとして、工程は(3)の繰り返しですが、シンナーは3の瓶から2の瓶とします。
(5) 最後に10秒ほど空吹きして清掃完了です。【結構やっかいですね。】

写真で、ゴム手袋をしていますが、肌荒れ防止のためなどという、お上品な理由ではなく、塗装のとき、緊張してやるもので、汗がモデルに付着するので防ぐためです……。脂性(あぶらしょう)の方は試してみてはいかがでしょうか。手袋は、指先に少しベビーパウダーをまぶすと、スムーズにはめることができます。

■洗浄用シンナーの瓶
3本の瓶内は同じシンナーで、単に汚れが違っているだけです。左から1次洗浄用、2次洗浄用、仕上げ用。スタートは、2と3にシンナーを入れます。
洗浄後のシンナーは低い番号の瓶に移していきます。何度か塗装を繰り返すと、右写真のように、1の瓶の量が増えて、2、3の瓶が減っていきます。サラのシンナーは常に3の瓶に補充されます。

●シンナーでかなり丁寧に洗浄していても、少しずつ汚れがたまるようです。何回かに1度は、Mrツールクリーナー(GSI クレオス製)を使って洗浄することをお勧めします。