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■工作 at random■ −3 |
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■簡易ピニオンギアの作り方
ホークアイ(「工作室」第35回)のロートドームを廻す工作で、ピニオンギアの自作が必要になりました。精密なギアの製作は無理ですが、ここで要求するものは、そこそこに力が伝達されればよいと言う程度のものなので、軽い気持で取りかかってみました。思ったより簡単に、使えるものが出来たので、参考までに紹介します。
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使用した材料は、4ミリ径(内径3ミリ)、5ミリ径(内径4ミリ)と6ミリ径(内径5ミリ)の真鍮パイプと0.8ミリ径の黄銅線です。ギアの軸穴が3ミリ径必要なので、4ミリ径に5ミリと6ミリ径の真鍮パイプを被せて芯部とし、対するギアの、歯の頂部の間隔が1.6ミリ位なので、その芯部の周囲に0.8ミリ径の黄銅線を歯の代わりにハンダ付けしました。
上右写真のように、平らな板の上に、マスキングテープの粘着面を上向きに固定し、歯となる黄銅線(A)の間に間隔固定用の短い黄銅線(B)を挟むように並べます。4ミリ径の真鍮パイプの先端にギアの芯となる前記5ミリと6ミリの真鍮パイプ(C)を被せてハンダ付けしておき、少し間をあけて、黄銅線を保持するための、同径の真鍮パイプ(D)をセットして、黄銅線をテープごと巻き付けます〔このときCには間隔固定用の黄銅線(B)がかからないようにします〕。黄銅線の間隔が均等になるように再度調節してから、Dにエナメル線などでしっかりと取り付けます。Cに黄銅線をハンダ付けし、ヤスリで歯形に整形して完成です。ハンダ付け(ここではステンレス用のハンダとフラックスを使用)は、先にハンダ付け対象物にフラックスを塗布しておき、小型のバーナーでハンダの溶解温度近くまで加熱して、ハンダをあてて溶かしながら更に加熱すると、一気にハンダがまわります。
ギアの固定は、側面にタップでねじ穴を切り、2mmのホローねじで行っています。
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■『タミヤ光硬化パテ』 の密着性の試験
タミヤより、平成16年の末頃に「光硬化パテ」が発売されました。これは、紫外線(蛍光灯など)を照射して固まらせるというパテで、歯科などで使用されている「光重合レジン」と同様のものです。極めて短時間で実用硬度に達するため、製作の進捗にプラスになることを期待して使用テストをしてみました。
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結果は、ヤスリがけ時に剥がれるなど、どうも密着力に問題がありそうなので、対象物の表面処理を変えて密着性のテストをしましたので、発表致します。〔表面処理には、接着剤やシンナーなど、周囲にある(入手が簡単な)ものを使用〕
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●試験の概要
塗布対象物: 1.2ミリ厚の白色プラ板の光沢面側を使用。
パテの塗布状態:
爪楊枝でほぼ5ミリ×10ミリ、厚さは最大1ミリ程度に不均等に塗布。15wの蛍光灯を約4cmの距離から約3分間照射。
塗布対象物の表面処理:
塗布対象物の表面をティッシュで10回ほどこすって手脂などを除去(A)。その後、#1000の耐水ペーパーでサンディングし表面を荒らしたもの(B)。それぞれに表面処理剤をほぼ同じ時に塗布し、触覚で乾燥を確認し、2〜9の全てが乾燥してからパテを塗布した。
密着具合のテスト:
表面の未硬化分をティッシュで拭き取り後、触覚で硬化を確認後、約15分放置して爪で引っ掻いた。「×」印は剥離したもの。
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『タミヤ光硬化パテ』のプラスチックモデルへの密着性試験結果 |
No. |
表面に塗布したもの |
結果 |
A |
B |
1 |
ティッシュ拭き取りのまま |
× |
× |
2 |
「Mr.カラー用シンナー」を塗布後ティッシュで拭き取り |
× |
× |
3 |
「ツールクリーナー」を塗布後ティッシュで拭き取り |
× |
× |
4 |
「モデラーズ」接着剤(流し込みタイプ)を塗布 |
× |
× |
5 |
「Mr.セメント」を塗布 |
× |
× |
6 |
瞬間接着剤(低粘度)を塗布 |
× |
× |
7 |
「Mr.メタルプライマー」を塗布 |
× |
× |
8 |
アクリル用接着剤を塗布 |
× |
× |
9 |
「セメダインPPX」接着剤のプライマーを塗布 |
× |
× |
10 |
#400で表面を荒らしたもの |
× |
結果欄の「A」はプラ板表面をそのまま使用。「B」は表面を#1000でサンディングしたもの。
No.9の「セメダインPPX」はポリエチレンなどを接着するタイプの瞬間接着剤で、それに付属のプライマーを使用。
No.10は同パテの使用説明書に従った表面処理(サンディングの前にNo.2の処理をした)。
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結果: (1)程度の差こそあれ全ての表面処理において比較的容易に剥離した。(2)「1のA」が最も容易に剥離し、「1のB」とにわずかながら差があった。(3)「10」は「1のB」より密着感が高かった。(4)目視ではプラスチックの表面を全く侵蝕していない。
結論: このパテの密着度は塗布面との摩擦に依存するので、穴埋めなどには有用であるが、平滑な平面に対しては適さない。塗布面の表面処理は、硬化前の粘度が高く流動性が低いため、従来の粘液状パテのような、置くような塗布の仕方をする限り、サンドペーパーの#800〜1000程度による微細な荒らしでは効果がなく、やはり説明書で求める#400以下であることが望ましい。
感想: プラスチックモデルの製作に関しては、密着性が「いのち」のパテとしては適材とは思えないが、数分の光の照射で実用硬度に達することには捨て難いものがあり、また、粘度が高いため、エポキシ接着剤のようなダレがあまりないので、この特徴を活かした使い方をすると、他所で大いに利用できる可能性が感じられる素材である。
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光硬化パテの使用例: 左右胴体結合のためのダボの位置にヒケがあったので使用してみた。前記結果から、そのまま塗布しても駄目なので、塗布の中央に、ドリルで深さ1ミリ強の小孔を開けて、引っ掛かり部を設け、周囲を#400のペーパーで荒らし、穴に流し込むようにして塗布した。結果的には、はみ出し分をカッターで削ろうとしたが、周囲が少し浮いてきたので、#800のペーパーで丁寧に整形することにより、初期の目的を果たすことができた。(この結果から、幅0.5ミリ・長さ10ミリ・深さ1ミリ程度の溝埋めに用いてみたところ、溝の形状通り棒状に外れてしまったので、接着剤で固定修復した(……型取りにつかえそうである)。 |
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