■工作室(製作43)■  (1)エンジン部の工作

ロッキード P-3C
海上自衛隊
LS 1/144


「フライト・ポジション」初期の頃に製作したP3Cに再チャレンジです。今回は、箱絵の胴体上部の点滅灯が印象的だったので、翼端灯と点滅灯を点灯させることにしました。4発機で1/144は、大きすぎず小さすぎず、デスクトップ・モデルにはちょうど良いサイズのようです。
 
 

●エンジン部の工作●
■モーターマウントの工作
内部スペースとプロペラ径から、モーターは4ミリでプロペラは回転軸にダイレクトに取付けることにしました。
先ず、3つの部品からなるエンジンポッド部を組み立てます。接着剤が完全に硬化したら、先端部品のプロペラ軸穴をモーターが貫通するように拡大しておきます。左写真の中央の板は、内部の間仕切り用のプラ板の小片です。
  
モーターマウントとなるストローを、センターになるように調節しつつエポキシパテで固定します。
主翼のエンジンポッド取付部、主翼取付部にも、モーターからのリード線を通す穴を開けておきます。

モーターの取付け
モーターの固定は前回の「雷電」同様に柔軟性のあるエポキシ接着剤を用いました。モーターボディーに適量塗布して、回転軸に接着剤が付着しないように注意してマウントに挿入します。
【柔軟性のあるエポキシ接着剤】
モーターの取付け位置は、モーターの回転軸先端が、スピナー基部を貫通してプロペラハブ部に達した位置とします。従って、モーター軸がエンジンポッド先端から突出する長さは(スピナー基部の厚さ)+(エンジンポッド先端とスピナー基部のギヤップ)となります。
●モーターの位置決め調整: センターは、モーターの軸(0.6ミリ径)を内径0.6ミリの真鍮パイプで延長して調整し、ポッド先端からの位置は、モーター軸とプロペラはダイレクトに接続するため、ある程度の正確さが求められることに加え、モーター4個への作業となるため、治具を作って行いました(右は使用中の写真)。

■治具について
モーター軸径に対応する真鍮パイプに、ストッパーを付けて、ポッド先端からのモーターの取付け深さを規定するという簡単なものです。
 
他のモデルでの使用を考慮して、二重のパイプ構造として、外側のパイプにストッパーを設け、内側はスライド式で設定できる深さを変えられるようにしてみました。深さの固定はネジにしようとも思ったのですが、面倒なので、テープを巻き付けるという原始的なもので間に合わせています。

 
モーターのリード線をスタンドベースへのコードと結線して、ダブついたコードを主翼側に押し込むようにして、エンジンポッドを主翼の所定の位置に取り付けます。

プロペラ部の工作
プロペラは、カウリングの内側からのストッパー付の軸に固定して、空転するタイプです。基部と先端部に2分割されたスピナーの間に、十字形の細い棒状のボス部で支持されたプロペラ・ブレードを挟む構造となっています。モーターとの結合は、キットのストッパー軸の長さを短くしてスピナー基部に取付けて、モーターの軸穴を穿孔して行うことにします。
プロペラ径はこのサイズにしてはかなりの大きさなのに対して、ハブ部が意外にきゃしゃで、補強の必要があります。補強なしの前作は、展示中にこのハブとブレードの結合箇所で折損してしまいました。ブレードがリアルに薄く銅線などによる補強が困難そうなので、今回は「二式大艇」と同じように金属で鋳造してもらいました。【二式大艇の金属鋳造プロペラについて】

  
■スピナー部の工作
ストッパー軸をスピナー基部の穴の深さと同じに切断して接着し、モーター軸を挿入する穴(スピナー基部を貫通)を開けます。プロペラを取り付け(瞬間接着剤を使用)、スピナー先端部を接着して完成ですが、ややモーター軸穴のセンターをとるのに手間取って、一回り大きな穴となったので、0.6ミリ黄銅線をダミーのモーター軸としてエポキシパテで修正し、センターを出しました。【参考:プロペラ軸の取付け】

■プロペラの取付け
前記「■モーターの取付け」で、モーター軸先端のエンジンポッド先端からの突出長さが規制されているので、プロペラをモーター軸一杯に押し込んで、ちょうど良い位置となります。
プロペラの固定は、合成ゴム系接着剤をモーター軸先端にほんの少量つけて行い、少々力を入れればプロペラを外すことができる程度の接着とするのが後のメンテナンスに良いようです。